2007年06月10日

6日目のこと…。

よく見る夢。
そう、それは遠くない昔のこと。

 『いやぁ…っ、離して!どうして?』

 『こんな見た目なら、きっと高く買い取ってくれるだろうなあ』
 『今みたいな貧乏暮らしより、ずっとずっと良い暮らしが出来るんだよ』
 『さあ、このジュースを飲んでごらん。おいしいよ?』

 昔の事だとわかっていても
 鮮明に脳裏に焼きついて離れない。
 とても忌まわしい記憶。
 忘れたい、と思っても忘れられない。
 どんなに記憶喪失になりたかったか。
 考えれば考えるだけ、記憶にはっきりと焼きついていく。

 手足に縄、ひどければ鎖。
 なんだかとても甘ったるい煙。
 異様なほどに飾り付けられた部屋。
 煌びやかな天蓋、大きな房飾りで括られたカーテン。
 それに反して、1日2回のひどく粗末な食事。

 いつも、喉が渇いていた。
 心も乾いていた。
 感情が起こらないほど、衰弱していたのかもしれない。

 同じような扱いを受ける人が、他にも居たりした。
 喋りかける余裕もなかった。
 その人も、ある時不意に居なくなったりした。
 …その日はひどく怖くなって、眠れなかった。



目が覚めても動悸は激しく、なかなか治まらなかった。
相変わらず、手のひらも背中も胸元も…ひどい汗で。
情けなくも頬を伝う涙。
とても頭が痛い。
こんなに弱い私ではないはず…
震える身体を抱きしめるようにして、また眠る。
posted by Raz at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Razelsの手記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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